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福島に移り住み14年。脱サラ夫婦2人(+子供2人+ヤギ4頭)の楽しくておいしい農的生活です。


by sekikonko88

先生の悩み

中島紀一先生(茨城大学名誉教授)のご指導の下「あぶくま農と暮らし塾」に取り組んでいます。
初年度は、農学の専門家をお招きし月1回のペースで座学、次年度からは、篤農家のほ場にての講義を交える等、様々な学びの機会を提供してきました。

塾の活動を通じて、有機農業についての知識を深めることができ、また、東和地区以外の方々との行き来が出来たりと、とても有意義なこと多く、取り組んで良かったと実感しています。

2年目を終えようとしていた時に先生と懇談をしていたところ、「和気藹々としているのは良いのだが、あの若者達はあのまま、ノホホンとしたままで良いのか?」と嘆かれていました。
先生としては、学びの結果、新規就農者達が目の色を変えて、仲間同士切磋琢磨し農業に勤しんで欲しいとのこと。
「興味を湧き起こさせられない程、農学に力がないのか?」
老教授の煩悶は尽きぬようです。

従来、民間療法的な扱いだった有機農業は、「有機農業推進法」(H18)が制定されて以来、公の施策、研究の対象となり、普及や研究の成果は目覚ましいものがあります。とは言え、それは制度や栽培技術という点であり、販売・消費まで含めた川下の対策についてはまだまだです。流通業界の方が、20世紀は生産技術の革新の時代で、21世紀は提供技術の革新の時代だと仰られましたが、有機農業については、生産・提供両方の技術革新をして行かねばなりません。

と言う状況を踏まえると、農学は時代のニーズに応えきれていないのかも知れません。
でも、やはり、問題は学ぶ側にあると私は思います。
進歩する意思のない人間に、学びの機会を与えても、良い機会を与えても活かすことはできないと思います。

モチベーションの高い人間がもっと農業・農村に入って来るような仕組みが必要だと感じています。

by sekikonko88 | 2015-09-15 22:30 | 農業