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福島に移り住み14年。脱サラ夫婦2人(+子供2人+ヤギ4頭)の楽しくておいしい農的生活です。


by sekikonko88

風評とは一体・・・

マスコミや行政の方々のみならず様々な方々とお話する中で、「風評被害の払拭」という言葉が常套句のように使われています。
「風評被害」という言葉については、原発事故以降ズッと考えてきました。
事故直後は、放射性物質が舞い降り作物に付着したり、土中に吸着される前のセシウムが作物に吸収され、「実害」がありました。
事故の年について、春先に畑にあった小麦は24Bq/kg、インゲンは6Bq/kg。(共に微々たる数字ですが、使っていないはずの農薬が何処からか飛んできて付着し検出したような不本意さを感じました)
翌年からは、放射性物資が土中に吸着されたり、吹き溜まったりして、全てNDでしたので、「実害」は0。とは言え、販売は厳しいと言われ続けました。
陳列棚に並べて売れば、ワザワザ縁もゆかりもない福島産を買う訳もなく、TVで汚染水だ何だと報道されれば気持ちも遠のくもの。これも人情だし、それを売れ残るリスクあるものを扱わないのは商売。
それでは福島産が永久にダメなのか?といえばそうでなく、他産地が不作になれば、47位が突然1位になります。昨夏は、天候悪く市況は大荒れし、自根キュウリ5kgは3,500円の高値(接木は5,000円。就農以来の高値です)を付け、嬉しかった反面、複雑な思いでした。

このような状況を鑑みると、これは「風評被害」ではなく、「経済(流通)の仕組み」なのではないでしょうか?。
流通業者は、風評を良いことに、福島産を需給のバッファーにしているのでしょうね。農や食を取り巻く多くの方々も食べていくためには利用できるものはなんでも使わねばならないでしょうから。
だから、その仕組みに組み込まれ諦めたり、悪あがきをするのでなく、新しい仕組みを作れば良いのでしょう。

道半ばですが、答えは出ているので後は、まい進するのみ!

by sekikonko88 | 2015-03-04 08:31 | 農業